膝の黒ずみレモンなどの柑橘類は肌に塗っても美白効果なし

膝の黒ずみを解消するための美容方法にレモンパックという方法があります。これはレモンの果肉や果汁を、黒ずみが気になる部位に直接乗せたり塗ったりするスキンケア方法です。レモンに含まれてい栄養素やアルカリ性の性質の美肌作用を利用したもので、「肘や膝が白くなった」と肌の黒ずみに悩む女性の間で話題になっています。ですが、レモンには問題があるため黒ずみのケアとしてはお薦めできる方法ではありません。

 

誤解の無いように予めお伝えしておきますが、レモンに黒ずみケアとして有効な成分が含まれているのは事実です。例えば、ビタミンCには美白作用が確認されているし、クエン酸にはピーリング作用がありますから、使い続けることができればやがては膝の黒ずみでさえ元の肌の色に戻る可能性がありそうです。ただ、毎日のようにケアしていく場合に大きな問題として立ちはだかるのが、今回解説する問題点です。

 

今回は、レモンの問題点を挙げると共に、膝の黒ずみを改善する目的で使うことがいかに非効率かを解説したいと思います。

 

ソラレンによる光毒性
ビタミンCは肌に浸透しない
クエン酸によるピーリング作用の刺激
皮についている防かび剤が肌に触れる <li>アレルギー発症の問題

問題点その1:ソラレンによる光毒性で膝の黒ずみが悪化する

レモンなどの柑橘系の果物にはソラレンという成分は紫外線の感受性を高める作用があります。紫外線の感受性が高まるということは、シミや肌の黒ずみの原因となるメラニンの生成量も増えるということ。これではいくら日焼け止めクリームを塗ったり、美白作用のある化粧品を使っていても、プラマイゼロ。いいえ、むしろ、肌の内部でシミや黒ずみが悪化する可能性が高くなりそうです。

 

ただし、ソラレンの光毒性を避ける方法はあります。ソラレンが問題となるのは紫外線を浴びるからです。つまり、紫外線の量が減る夜間に膝の黒ずみケアにレモンを使うことができれば、ソラレンによる光毒性の問題を避けながら、ビタミンCやクエン酸の美容効果を得ることができるかもしれません。また、ソラレンを不活性化させることができれば、日中でも使える可能性はありそうですよね。

 

ただ、ソラレンを不活性化する方法はわかりません。加熱すれば失活するかも・・・、と思えますが、仮に可能だとしても、熱に弱いビタミンCの美容効果を得ることができなくなります。それに加熱することで本当に失活するかどうかはわかりません。文献を探しても見つかりませんでした。このことからも、ソラレンの問題点があるだけで、膝の黒ずみのケアにレモンを使うのはかなり非効率ですね。

問題点その2:ビタミンCは肌に浸透しないから膝の黒ずみを改善する効果もゼロに近い

ビタミンCに美白作用があり、シミのケアやくすみの改善目的で利用されることはよくあります。そのために、ビタミンCが豊富に含まれているレモンを膝の黒ずみケアとして使えるかも・・、と考えて使用され始めたことがきっかけだと思われます。でも残念ですがビタミンCは水溶性の成分であり、分子量も多きため、それ単体では皮脂で覆われている皮膚からは浸透できない問題点があります。

 

肌に浸透させるには皮膚のバリア機能を潜り抜けるために分子量を小さく加工するなどの工夫が必要で、そのために開発されたのがビタミンC誘導体。これなら、肌に浸透して黒ずみの原因でもあるメラニンの生成を抑えるなどの美白作用を発揮するかもしれません。でも残念なことに、レモンに含まれているビタミンCは誘導体の形ではありませんよね。

 

また、ビタミンCの濃度にも大きな問題があります。ビタミンCの美白作用が発揮されるのは濃度が3%以上の医療品としてのもの。化粧品に含ませることができるのは1%?2%が限度です。この濃度から考えると肌に浸透する形ではなく、含有濃度も低いレモンのビタミンCが膝の黒ずみを改善する効果を発揮するとは言えませんね。使うだけムダかもしれません。

 

レモンを肌に乗せて果汁を角質層に浸透させるよりも、ビタミンCは果肉を直接食べたり汁を飲んで補給したほうが黒ずみ対策として効果的かもしれませんね。

 

問題点その3:クエン酸のピーリング作用の刺激が強いため毎日使うことができない

膝の黒ずみにレモンを塗った翌日に「肌が白くなった」という経験談があるのは、レモンに含まれるクエン酸によるピーリング作用によるものかもしれません。ピーリング作用によって分厚くなった膝の角質や古くなった角質が除去されたことによって、黒ずみの原因のひとつでもある毛穴の汚れも同時に除去された。これにより、肌が白くなったように感じて、『肘や膝の黒ずみにレモンが効く!』という情報が広まったのだと思われます。

 

確かに膝の黒ずみを改善するうえでピーリングは効果的なケア方法の一つです。実際にエステや美容皮膚科でも肌をワントーン明るくする施術方法としても採用されているくらいです。定期的にピーリングすることで肌のターンオーバーが整えられ、皮膚の代謝が良くなることで、黒ずんだ皮膚の層も自然とはいせつされる可能性も高くなります。そんなピーリング作用をもつクエン酸が含まれたレモンなら、膝の黒ずみを改善できる可能性があるのでは・・・、と思えるのも当然のことかもしれません。

 

ただし、ピーリングはやり過ぎれば肌に大きな負担をかける問題点があります。ピーリングの頻度が多くなると未熟なままの肌が表面に出てしまい、乾燥や敏感肌などのトラブルにつながります。それに、クエン酸は強い酸であり肌への刺激も強いもの。毎日のように実施すれば、本来剥がれるべきではない角質層をも剥がしてしまうため危険度が増してしまいます。

問題点その4:防カビ剤が肌に触れた際のトラブル

 

外国産(主にアメリカ産といわれている)のレモンの皮には防カビ剤(イザマリル)がついていることがあります。レモン、グレープフルーツ、オレンジなどの柑橘系果物はカビが生えやすいので、収穫後に原産国から日本へ空輸する際にカビが生えないようにするための措置です。もしかしたらあなたも、ポストハーベスト問題って聞いたことがあるかもしれませんね。

 

防カビ剤が皮にだけ付着しているだけなら問題ないと思われるかもしれませんね。でも実は、イザマリルなどの防カビ剤が怖いのは、皮に塗っただけでも果肉部分まで薬剤が浸透していく性質を持っているからです。防カビ剤で汚染されたレモンを膝の黒ずみ対策として使う・・・、考えただけでも恐ろしいと思いませんか?

 

農林水産省でもレモンに使われる防カビ剤は基準値以下だから健康上問題ない・・・、とされているかもしれません。確かに基準値以下なら、しかも膝という厚い角質に覆われた部分に使うだけなら、ただちに肌トラブルを起こす可能性は低そうです。しかし問題は万が一肌トラブルが起こってしまったらどうなるか・・・、ということです。

 

肌トラブルは一度起こしてしまうとリカバリーに時間がかかります。場合によっては皮膚科のお世話になるかもしれません。膝の黒ずみを解消したくてレモンに美白効果を期待したのに黒ずみが薄くなるどころか別のトラブルに悩む羽目になるなんて悲劇すぎますね。

問題点その4:アレルギーが発症する可能性

果物を食べてアレルギーを発症する例は意外に多いですよね。卵、牛乳、小麦についで4番目に発症しやすいアレルギーとして皮膚科で治療を受けている患者さんも多いほど。そんなレモンを膝の黒ずみ対策として使う場合も、やはりアレルギーの発症には十分注意しなければなりません。

 

クエン酸やビタミンCなどの美肌成分が含まれているのと同時に、レモンなどの果物にはアレルゲン物質も多く含まれているということ。しかも果物のアレルギーは思春期以降の大人に発症しやすいものなので、膝の黒ずみが気になる方の年齢層とも一致しているのですね。

 

もちろん、レモンによるアレルギーの問題も稀なケースです。多くの方は膝や肘に一時的に乗せた程度でアレルギーが発症する可能性は低いと思われます。でもやっぱり気をつけないといけないのは、万が一アレルギーが発症してしまった場合、一生付き合っていかないと行けなくなるかもしれないということ。

 

膝の黒ずみに効果が期待できると謳う簡単な方法の中には、実は数々の危険性が潜んでいる方法でもあります。

 

こうした問題点がある以上、膝の黒ずみにレモンを使うのは非効率極まりないケア方法ということがわかるかと思います。レモンを使ってしまったことで黒ずみの改善どころか、肌に余計なトラブルを引き起こす可能性があるので気をつけましょう。膝の黒ずみには、毎日使えて効率的なケアができる化粧品を使うのが大切ですよ。